私が好きな小説の一つ、『オリンポスの咎人』。
ハンガリーのブタペスト郊外に住む不思議な男たちとの恋が、一巻ごとにヒーロー、ヒロインを変えて繰り広げられます。
不思議な男たちは、かつて大罪を犯した暗黒の騎士です。その身に暴力、死、嘘、苦痛、疑念、病魔など、人に害をなす化け物を宿すことになった不死者の男たちが、たった1人の運命の女性と出会い、恋に溺れます。
女性も人間であったり女神であったり天使であったり様々ですが、一つだけ共通することがあるのです。それは、彼女たちだけが唯一自分の愛する男の苦しみを和らげ、彼女たちもまた救われるということ。ロマンチックなストーリー展開にため息を吐く女性は多いのではないでしょうか。
決して皆んな善人ではなく、ほのかに暗い雰囲気が漂う様は、どうしようもなく色気に満ちています。
私は特に一巻のヒロイン、アシュリンの物語が好きです。
アシュリンは過去の人の声が聞こえるという特殊能力のために長い間孤独な生活を送っていました。しかし、彼女のヒーロー、マドックスが側に居れば静寂が訪れ、彼女は初めて救われます。
マドックスもまた、自らの魔物を鎮めてしまう彼女にどうしようもなく惹かれていくのです。
運命の出会いを感じたい人にはたまらないストーリーではないでしょうか。