オリジナル・サイコ―異常殺人者エド・ゲインの素顔

もう20年近く前のドキュメント小説になります。 1957年にアメリカのウィスコンシン州で起きた殺人事件から家宅捜索された事で明るみに出たおぞましいばかりの猟奇的な殺人、死者を冒涜する現実に起きた行為の数々を綴った本です。 この本の物語の主人公になっているのは逮捕と共にアメリカ中を震撼させ、関わった数多くの人々に悪夢を見せた(それぐらいのトラウマを植え付けたと解釈しても差し支えないと思います。)殺人者エド・ゲインという実在した人物です。 著者の視点、著者の語り口で書かれてはいるものの、エド・ゲインの生い立ち... Read More

どれだけの人が「青の炎」の主人公ほど家族を守りたいと思えるか

貴志祐介の『青の炎』という小説。 1999年発行の小説ですが、世間では少年犯罪が社会問題化し、「キレやすい高校生」という言葉をよく耳にしていた頃の作品です。 この小説も、主人公の男子高校生が完全犯罪を計画・実行し殺人を犯していくという内容で、主人公、母親、妹の三人家族の母子家庭に、既に離婚し自分とは血縁のない父親が居座り、母親と妹を守る為に養父を殺し、自分が犯人だと知った同級生も殺してしまうというものです。 このように、殺人の目的が母親と妹を守るという事と、短絡的に人を殺すのではなく、綿密な計画を立て実行... Read More

『オリンポスの咎人』で、ロマンチックな恋に溺れる。

私が好きな小説の一つ、『オリンポスの咎人』。 ハンガリーのブタペスト郊外に住む不思議な男たちとの恋が、一巻ごとにヒーロー、ヒロインを変えて繰り広げられます。 不思議な男たちは、かつて大罪を犯した暗黒の騎士です。その身に暴力、死、嘘、苦痛、疑念、病魔など、人に害をなす化け物を宿すことになった不死者の男たちが、たった1人の運命の女性と出会い、恋に溺れます。 女性も人間であったり女神であったり天使であったり様々ですが、一つだけ共通することがあるのです。それは、彼女たちだけが唯一自分の愛する男の苦しみを和らげ、彼... Read More